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〈レポート〉第32回講座「ドイツから学ぼう」第3回「ドイツ文化を楽しもう」

2018.09.15 | カテゴリー:講座の記録

【2018年8月11日(土) 信毎メディアガーデン 1階ホール】
「ドイツから学ぼう」をメインテーマとした2018年の講座。第3回は「ドイツ文化を楽しもう」と題し、新しく完成した信毎メディアガーデン1階ホールにて盛大に開催しました。今回も91名という多くの方に参加頂きました。

今回は1回目、2回目とは大きく趣向を変えてドイツの「食・ビール・音楽」を味わう楽しい企画を目指しました。総合司会は元アナウンサーの田中千絵さん。

今回のテーマは「食」ということで、会場で提供する食事にも趣向を凝らしました。オードブルは松本市深志にあるレストラン「ル・ブラン」様、ドイツパンは松本市和田にあるパン屋さん「ブロート・ヒューゲル」様、ドイツソーセージは池田町にあるソーセージ工房「シュタルンベルク」様からご提供頂きました。またワンドリンクとして南ドイツ発祥の白ビール「ダルグナーヴァイツェン」をご用意しました。

スペシャルゲストによるピアノソロからスタート

ファビアン君のピアノソロでスタートしました

会の始まりは盛岡から来てくれたスペシャルゲスト、シュヴァムホルン魁ファビアン君のピアノソロ。ドイツと日本をルーツに持つ彼は、既に多数の音楽コンクールに入賞し、将来を期待される中学一年生。ショパンのワルツ第10番ロ短調から始まり、メンデルスゾーンのヴェネツィアの舟歌、ベートーベンの月光第3楽章と力強く華麗な演奏を聞かせてくれました。

続いてアンサンブルMMOによる弦楽四重奏&ピアノの演奏

塾長あいさつの後、アンサンブルMMOによる弦楽四重奏が始まりました。ファーストヴァイオリンの牛山正博さんは、ヴァイオリンスクールを主宰し長野県・山梨県の教室で指導の傍ら、「志音会オーケストラ」「松本モーツァルトオーケストラ」のコンサートマスターを務めています。同じくヴァイオリン奏者の牛山千史さん、ヴィオラの横田裕祐さん、チェロの寺澤克義さん、ピアノの渡辺しおりさんと共にドイツ語圏に由来のある作曲家の演奏をご披露頂きました(レハール:ワルツ「金と銀」・Jシュトラウス:ポルカ「トリッチ・トラッチ」、喜歌劇「こうもり」序曲・ヘンデル:組曲「水上の音楽」より・JSバッハ:管弦楽組曲第3番「アリア」)。


その後はビールのお話を挟んで弦楽四重奏の演奏があり、生のハーモニーに参加者は聴き入りました(モーツァルト:ディヴェルティメントKV136より、弦楽四重奏曲「狩」より・シューマン:トロイメライ・ベートーベン:メヌエット・ヴィヴァルディ:四季より「春」)。

ドイツ料理のお話を挟み、講座の最後には牛山正博さん、ピアノの渡辺さんによる二重奏をご披露頂きました。曲目は聞き慣れた有名なものが多く、迫力ある生演奏を十二分に堪能することが出来ました(クライスラー:愛の慶び・ベートーベン:ヴァイオリンソナタ「スプリング」より・サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン)。

ドイツビールのお話

林幸一社長です

ドイツと言えば”ビール”は外せません。続いて株式会社松本ブルワリーの代表取締役、林幸一さんにご登場いただきました。同社は松本でバー文化を定着させると共に、松本初の地ビールも誕生させました。
林さんからはドイツのビール文化についてお話頂きました。500年の歴史を持つドイツでは消費されるビールの7割近くがピルスナー。純粋令という法律があり、原材料を厳しく限定して品質を守り続けていること。ドイツは国民一人当たりの年間ビール消費量が105リットル(世界第4位)であり、日本(同54位)の2倍以上であること。ドイツでは酒税が安く、何と日本の20分の1。また日本と違い、16才になれば飲酒OK。

後半で林社長は「長野県は地ビール造りに於いて一大産地になっている。その中で松本でも地域の誇りになる地ビールを丹精込めて作っていきたい。ビール造りを通じて地域の魅力を高めていきたい。」とビールに対する熱い思いを語っておられました。

ドイツ料理のお話

今日のプログラムの最後のトークとして、フェリース・フォービーさん、久保弘樹さんにご登場いただき、塾長と司会者の田中さんを交えてドイツの料理をテーマにお話いただきました。

ドイツ家庭料理は地域によっていろいろ!

左から司会者田中さん 松本塾長 フォービーさん 久保さん

フォービーさんは松本在住。翻訳やウェブ開発に携わる会社に勤務しています。母がドイツ人、父がアメリカ人である彼女は料理が大好き。ドイツ料理は独学で学び、ドイツパンは松本(今回のパン提供のパン屋さん)で学んだそうです。

ドイツは日本と同じく地域によって食文化が大きく異なるため、代表的なドイツ料理を紹介することは難しいとのこと。今回はハンブルクの代表的な料理や、シュツットガルト(西南ドイツ)の郷土料理を写真を交えて紹介してくださいました。またお話はパンの話にも及びました。ドイツはパンの国と言っても良いぐらいで、食事には欠かせない。ドイツのパン屋さんは6時から開店していて、朝にパンを買いに行くのがドイツ人の日課。種類は3,000種類以上ありユネスコ無形文化遺産にも指定された。プレッツェルは特に人気があり、独特の形の由来等の楽しいお話で盛り上がりました。

ドイツのソーセージは何と1,500種以上!

今回、ソーセージをご提供いただいた久保弘樹さん。久保さんはソーセージの本場ドイツで修行をした後、25年前に信州池田町にソーセージ工房、シュタルンベルクをオープンしました。現在、同工房で作られたソーセージはホテル等へ納品されたり地方発送されたりしています。長野オリンピックの時にはドイツ選手にソーセージを選手に提供して大好評だったそうです。

久保さんからは最初に今回皆さんに提供されたソーセージについての解説がありました。今回のものはチューリンゲン州の代表的なソーセージで、会場横で調理した作りたてをご用意頂きました。

ドイツのソーセージは1,500種類以上あり、その種類ごとに茹でたり、スモークしたり、焼いたりと調理法が決まっていることが多いとのこと。日本と違い、仔牛肉ソーセージもあるとのこと。ドイツでは日本と違い、粗びきソーセージよりも絹引きソーセージが好まれるそう。久保さんのドイツ修行時代のお話も交え分かりやすく楽しいお話が聞けました。

今回の講座は約3時間の長時間プログラムでしたが、様々な音楽あり、ドイツ食や食文化のトークありの盛り沢山の内容で、「あっという間の3時間だった」との声が多く聞かれ盛況の内に終えることが出来ました。

(記録:富取)



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