【2017年5月21日(日)】
参加者:18名
昨年の講座「歴史から学ぼう」の講師を引き受けていただいたご縁で、笹本正治さんが館長を務める「県立歴史館」を訪ねました。歴史館周辺は、完全復元した「森将軍塚古墳」や古墳時代のムラを再現した「科野のムラ」「森将軍塚古墳館」など、一帯を整備した「科野の里歴史公園」になっています。歴史公園全体を見学し、楽しく歴史を学ぶ一日になりました。
通常は見学できない厳格に管理された収蔵庫や、修復作業の現場も案内していただきました。収蔵庫に収められた大量の資料を前にして、管理・保存する膨大な作業と、それに充てる人員や予算が十分でない状況が理解できました。
笹本先生のお話しからは、後世に残していく歴史館の使命への熱い情熱と、現状へのジレンマが伝わってきました。
明治当時最先端と言われた欧米の紙(酸性紙)より、日本古来の和紙(中性紙)の方が状態が良いこと。資料の劣化防止のために中性紙で包装し保存しているが、高価な容器は手作りで経費軽減に努力していることも伺いました。表の展示だけでなく、文化を継承していく裏方のご苦労の一旦を知ることができました。
高速の明科トンネル付近から出土した「縄文人の人骨」の前では、素朴な疑問から専門的な話まで幅広く話が盛り上がって、裏側の見学だけで予定時間が終了に…。展示見学は「長野県の遺跡発掘2017」の特別展だけになりました。
千曲市在住の会員さんで、古墳のボランティアガイドをされている堀内美貞さんに案内していただきました。5月というのに30度を超える真夏日となり、1㎞ほどの山道を見学用バスで登りました。
石積の上に埴輪が並ぶ光景は、古の時代を彷彿とさせる雄大な姿でした。
など、ひとつひとつ丁寧に説明していただきました。
実物大の竪穴式石室の精密模型を中心に副葬品や出土品、復元工事の様子が分かる写真も展示されていました。
など、学芸員さんのお話を聞きながら見学しました。
帰路は、堀内さんの案内で姨捨の棚田に立ち寄り、田植え時期の「田毎の月」の眺めを楽しみました。
さらに小さな田んぼの集まりの四十八枚田と呼ばれる地区には、畳一枚ほどの広さしかない田んぼもあり、斜面の多いこの地区が米つくりに苦労したことや、貧しいがゆえに姨捨の伝説が残っていること、すべての田んぼに水がいきわたるように地下に整備された水路は今も使われていることなど。
地元の人ならではのお話を聞くことができました。
(記録:くぼた)
初めての参加でしたが、思い切ってお願いして本当によかったと思いました。 ホームページはいつも見せていただいています。暑くて大変でしたが、 それ以上に、楽しく、考えさせられることも多く、刺激的な1日。 普段入れないところへ入れていただき、 解説をしていただくありがたさを感じました。(一般 30代男性 Oさん)
歴史館のバックヤード見学、まず経験できない事ですので非常に良かったです。特に現場見学もさることながら森将軍塚古墳も含め専門家の案内と熱心な説明は、新鮮で今まで持っていた疑問もいくつも解決し有りがたく思っています。忙しい中対応して頂いた学芸員の方々には感謝する次第です。
また、この様な企画をして頂いた自遊塾の事務局の方々にも感謝です。(会員 60代男性 Mさん)