早朝、諏訪自然塾のメンバーと安曇野スワンガーデンで合流し博物館へ。二回目となる今回の参加者は合計20人となり、車内では、道中の歴史や地勢に詳しい会員や、縄文に詳しい諏訪自然塾塾長の清水馨さんがミニレクチャーをしてくださったほか、メンバーそれぞれが、縄文に対する思いや今回のツアーに対する期待などを語り合いました。
織物の歴史を誇る十日町市内にある十日町市博物館では、副館長の石原正敏さんの案内で、国宝に指定されている笹山遺跡出土品の数々を見学しました。今回の目玉である、縄文時代中期の火焔型土器。この形の土器を作ってみたことがあるという参加者もいて、熱心に観察していました。 「土器に表現された文様にはメッセージが託されているのでは?」、「どういう人がどれくらいの時間をかけてこういった土器を作ったのだろうか?」 などの質問に、土器をめぐり当時へ思いを馳せました。このほか、秋の暮らし・冬の暮らし・室内での暮らしと、竪穴式住居を3つに分けて、縄文人の暮らしが一目で分かるような工夫に感心しました。博物館を堪能した後、隣接した遺跡公園で各自お弁当を広げて昼食をとりました。
次の目的地に向かう途中、日本有数の津南河岸段丘が一望できる高台に立ち寄りました。特徴ある地形を一望できる見晴らしの良さに、参加者の気持ちものびのびとし、気持ちの良いひと時を味わいました。
その後、バスは飯山の「高橋まゆみ人形館」へ向かいました。 素朴な人々の生き生きとした表情や姿を手作りの人形で表現している高橋さんの作品を展示し、県内外から多くの人が訪れる人気スポット。どこか懐かしく、ちょっぴりユーモラスで、見る人の気持ちをほっこり温めてくれる人形たちが並びます。 見て回る参加者の表情も自然と笑顔に。
この日は特別に、作品づくりについて高橋さんから直接お話しをおうかがいすることができました。三世代で暮らす家族の団欒や人々の素朴な姿など、「忘れてはならないものが飯山にはまだたくさんある。それを形に残したくて制作している」と高橋さん。高橋さんが形に残している人々の暮らしや風景は、私たちに生きることの原点を教えてくれたようでした。
2回のバスツアーは、縄文人の精神性や、つい最近まであった日本人の暮らし、現代に暮らす私たちが得たもの、失ったものを考える時間になりました。 諏訪自然塾の方々とは、「来年も合同で何か…」というような話も出て、連携と友好を深める機会にもなりました。
縄文人は負の遺産を残していない。翻って現代人は、いくらクリーンな原発だと言っても、その後何百年も処理できない使用済み核燃料を後世の人に残すことになる。それはあってはならないと思う。
充実した時間だった。火焔土器は技術の素晴らしさに感動した。縄文時代は一万年以上、戦いのない時代が続いた。それはなぜなのか?縄文人のような平和な社会を作ることは難しいのかと考えさせられた。
心に響くものがあった講座だった。文明の発展したいまより縄文人のほうが、気持ちが豊かで幸せだったのではないか、と感じた。高橋まゆみ人形館では、作家さんご自身にもお会いでき、楽しいひと時だった。高橋さんが作品にしている世界、身にしみて感じる世代だが、ああいう古き良き時代を残していかなければならないと感じた。