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〈レポート〉第24回講座-牛伏寺寺子屋第4回「心の栄養 瞑想とユーモア~月輪観と松乃家笑楽(中野和朗名誉塾長)の楽語」

2015.11.07 | カテゴリー:講座の記録

【2015年9月17日(木) 10:00~15:00 松本市内田 牛伏寺】

毎回趣向を凝らした独自の内容が人気の寺子屋講座の第4弾。今回は、秋風が吹き始める牛伏寺で月輪観がちりんかん
(瞑想)と中野和朗名誉塾長の手打ちそばを味わい、松乃家笑楽の楽語を楽しむ一日となりました。27人が参加しました。

月と一体になり、心を落ち着ける月輪観

少しひんやりとした厳かな空気に満ちた牛伏寺本堂は、瞑想にふさわしい雰囲気。安養寺(栃木県那須郡黒羽町)住職の川口美保さんが、ほとんどの参加者が初体験となる「月輪観」を手ほどきしてくださいました。

月輪観は、自分の心のなかで内なる仏を“観じる”真言宗の瞑想法「阿字観あじかん」の前業として行う、比較的初心者が取り組みやすいものとのこと。
心の中にまん丸のお月様をイメージし、その白く輝く月を自分の心に見立てることにより、本来、私たちの心の有り様は、このように清らかで無限に広がっていくものであると感じる瞑想です。私たちは周囲のさまざまなこと、人によって生かされている。それは、太陽の光を受けて輝く月の姿に通じるものがある、という法話を聞き、続いて、仏教において最も丁寧な礼拝法といわれる“五体投地礼拝”を行いました。
その後、深い呼吸とストレッチを組み合わせたヨガに似た準備体操で心と身体を整え、集中力を高めて瞑想に入りました。

心を落ち着け、瞑想を深めることによって自らの内なる世界を感じることができる貴重な体験となりました。
参加者からはまたぜひやってみたいという声が多く聞かれました。

中野和朗名誉塾長が丹精こめて打った蕎麦三昧

瞑想で心と身体がリフレッシュした後は、中野和朗名誉塾長自らが手打ちした蕎麦による昼食会。熟練した腕で丹精込めて打つ中野名誉塾長のそばは、これまでの講座にもたびたび登場し、好評を集めてきました。

この日もまだ暗いうちから仕込んだそばをその場で茹で、まずは、水出しの濃い緑茶でいただく茶そばで喉越しと蕎麦そのものの味わいを楽しんでもらう趣向。次は、たっぷりの野菜と海藻など具だくさんのサラダをのせた「そばサラダ」、そして最後は、たっぷりのキノコと鶏肉の味わい豊かな「きのこ汁そば」で温まりました。
次々とそばが登場するたびに、参加者からは歓声が上がり、和やかに会話も弾むひと時でした。

笑いの中から世の中を考えさせた松乃家笑楽の落語

高座が用意され、にわかに寄席の設えとなった会場に思い思いに腰を下ろす参加者の前に登場したのは楽語家、松乃家笑楽こと、中野和朗名誉塾長。
ドイツ文学者でもある中野先生はまず初めに、ゲーテが『ファウスト』に込めたメッセージは「永遠に女性的なものが我々を天国へ引き上げていく」ということであると解き、平塚らいていも「元始、女性は実に太陽であった」と言った。
戦争に加担し、また攻撃の対象ともなりうる可能性のある法案を強引に通そうとしている動きを憂い、交戦好きな男性と違い、命を産み育てる女性(女性的な思想)こそ、平和で幸せな社会に必要だと語りました。

そして、女房の世話になって遊んで暮らす亭主と、そんな亭主を支えるしっかり者の女房のやり取りを描いた落語「厩火事」を聴かせ、会場を沸かせました。

参加者の感想

とても有意義な時間でした。“月輪観”は、瞑想とあったので、私の中では静のイメージでした。でも、ヨガや拝む事(五体投地)など様々な要素を取り入れ、体全体を使ったもので新しさを感じました。
そして中野先生の、おそばと落語・・・終始「なんと贅沢な」と思いながら堪能させて頂きました。精進し続けていらっしゃる先生の生き方を、少しでも見習って行けたらとおもいます。不思議なご縁を感じる出会いもあり、心の栄養をたっぷりと満たされて帰路につきました。ありがとうございました。(松本市 的場寿美恵さん)


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