合同開催した諏訪自然塾の事務局であり、信州自遊塾の会員でもある北澤美帆さんから、紀行文を寄せていただきました。
諏訪自然塾は3.11の大震災の直後、ほぼ同時期に発足し、姉妹塾として交流を続けてきました。“自然塾”の名の通り、自然と生きる人間の暮らし方や、向き合い方をテーマに活動を続け、縄文文化から学ぶところは大きいと、学習会を重ねておられます。
今回の縄文バスツアーでは、新潟県(日本海側)の縄文文化のことをはじめ、縄文文化がいかに自然と一体となって形成された人類史だったのかを、以前に増して、深く感じることができた旅となりました。
10月に訪れたヒスイ峡と長者ケ原遺跡では、縄文時代よりももっと前の地球が誕生し、その後、地殻変動が繰り返された中で形成されたヒスイの存在を学ぶことができました。そして、その地球からの賜物、ヒスイが多く取れたことから、長者ケ原の縄文文化が繁栄し、その土地の特色が作られていたことを、ひしひしと感じました。
11月に訪れた十日町の博物館での火焔土器も、立体的な装飾に富んでいて縄文時代がどんな時代だったのかについて思いを馳せることができるようなものでした。 火焔土器は、普段の生活でも使われていたと言われており、そのことを考えると、縄文時代の人々の生活がいかに潤おっていて、華やかであったかが想像できます。 また、自然に対する畏敬の念を、生活の中で感じながら生きていくゆとりがたっぷりあったのではないかと思うと、今、現代に生きる私たちに、大きな意味のあるメッセージが送られているように思いました。
46億年前に地球が誕生し、38億年前に地球上に生命が誕生したといわれています。
地球上にある日本の大陸にも生命が誕生し、自然界が豊かになったことによって、日本の最初の文化ともいえる縄文文化が生まれました。
肥沃で、ミネラルを多く含んだ大地の上で生き、自然の一部として生きてきた縄文人が、自分たちの先祖であると思うと、やはり日本で生きている以上、自然と切っては切り離せない民族であることを心にとめて生きていきたいと改めて思いました。
今回の縄文バスツアーは、縄文文化だけではなく、まさに縄文文化を生んだ地球、日本の大地・自然のすばらしさを感じたひと時でもありました。