【2018年5月31日(木)14:00~16:00 長野市大豆島 直富商事株式会社】
今年度4回シリーズで開催している「ドイツから学ぼう」講座を共催している長野県日独協会からの紹介で、長野市大豆島の富商事株式会社本社・工場と、資料館「なおとみ資源の森」の見学会を共催で行いました。日独協会から15人、信州自遊塾から5人、計20人が参加しました。
木下相談役からのあいさつの後、以下の順で見学がすすみました。
業務内容についてビデオでの紹介がありました。
マスク、ヘルメットと見学者用上着を着用して、いよいよメインの工場見学です。参加者はそれぞれ熱心に聞き、質問をしたり、写真を撮っていました。昨年度の見学者は1500名になるそうです。
以下、簡単ですが各工場の様子を報告します。
まず、段ボール、新聞紙、雑誌などの分別、圧縮工場で、ここでの作業後は再生工場へ運ばれます。床には紙くずなどが散らばっていると想像しますが、綺麗に清掃されており、担当の方も「見学される方は皆さん『見学前に掃除したのでは?』と聞かれますが、そういうことはなく何時でもこの様に綺麗にしています。」との事でした。
そして工場の一角には機密文書の保管室があり、ここへ入室できる人は限られており、室内もカメラで常時監視するなどISO27001に基づいた管理を行っています。この部屋は機密上見学は出来ませんでした。
隣の敷地では、成田エクスプレスの先頭部分とラッセル車の鉄道車両の展示があり、その前で記念写真を撮りました。ラッセル車を間近で見るのは初めてでしたが、やはり巨大なものでした。
次は、非鉄原料工場で、ここでは被覆電線から銅の回収を行っており、細かい裁断処理で銅は米粒ほどの細かい粒(銅ナゲット)となります。この工程は皆さん興味津々でした。
その後はペットボトルや発泡スチロールなどのプラスチック類の工場で、ラベルの付いていないペットボトルは細かく破砕され、再生工場へ送られます。廃棄物として回収されるペットボトルはラベルが殆ど剥がされており「日本人のまじめさ」を感じているとの事でした。この話の中ではリサイクル処理には分別が重要であることを力説しておられました。発泡スチロールはそのままではかさばるため溶融固化され、再生工場へ送られます。
最後の鉄原料工場では、5000個以上の空き缶が50~60cmの立方体に圧縮されていました。また大型の金属スクラップは「ギロチン」と呼ばれる切断機で細かくされ、大型磁石で選別された鉄は再生工場の電気炉で溶融され新たな鉄製品に生まれ変わります。なおこの工場では粉塵が発生するため、ミスト噴霧を行っていました。
3階建てのリサイクルに関する資料館で、日常生活から出る殆どの廃棄物についてのそのリサイクルの方法やどの様に再利用されるかの説明が現物の展示により判りやすく説明されています。そのため子供から大人までリサイクルについて学ぶ事ができます。1階は、日常生活で生じる廃棄物の説明、2階は色々な廃棄物のリサイクル方法の紹介で3階は金属のリサイクルについての展示・説明となっています。
リサイクルに関心のある方はこの資料館だけでも見学すればと思います。
本社 | 長野市大豆島、他に工場、事業所が長野市に5ヵ所 |
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HP | http://www.naotomi.co.jp |
創業 | 昭和23年 |
従業員 | 529名 |
売上高 | 95億2900万円 |
事業内容 | 廃棄物及び資源のリサイクル・処理、サポート |
取得規格 | ISO9001、ISO27001 |
《記録 会員 森村 昇さん》
以下は「鐵の木下」の木下相談役に対しては釈迦に説法となります。
リサイクルの作業を見学し同時に併設の資料館で全貌を学べる場は世界でも他には見られない。今後も多くの人々が訪問することを期待する。